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写楽の傑作、35年ぶりにオークションに(産経新聞)

 競売大手サザビーズは6月、パリで開催されるアジア美術オークションに、江戸の浮世絵師、東洲斎写楽(生没年未詳)の最高傑作の一つ、「市川鰕(えび)蔵(ぞう) 竹村定(さだ)之(の)進(しん)」(1794−95)を出品する。

 同社によると、当時の人気歌舞伎俳優、市川鰕蔵ふんする竹村定之進を描いた同作品は、初刷りが判明しているだけ20点近く。東京国立博物館や大英博物館にも所蔵されている。サザビーズジャパンでは「下部も色もきれいに残っている。個人コレクションとして大切に保管され、状態が特別にいい」と太鼓判で、予想落札価格は「約3千万−4千万円超」とみている。

 作品は、寛政6(1794)年に江戸の河原崎座で上演された「恋(こい)女(にょう)房(ぼう)染(そめ)分(わけ)手(た)綱(づな)」で竹村定之進を演じる鰕蔵の、当時のブロマイドにあたる。不義の罪に落ちた娘の助命嘆願のため、舞台で切腹する能役者の役で、太いまゆなどに悲壮感が表現されているという。

 来歴は、19世紀末にパリで浮世絵売買を通じてジャポニズム普及に寄与した美術商、林忠正からフランス人日本美術収集家アンリ・ヴェヴェールに渡り、1974年のサザビーズオークションで売買。同社は現在の所有者を明らかにしていないが、日本で保管されているという。

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